記述問題が白紙になってしまう、書いても点が取れない——。
そのようなご相談を毎年いただきます。
特に中学受験を控えた小学6年生の生徒さんは、記述問題の得点に伸び悩み、焦りを感じている方も多いかもしれません。
今回は、3ヶ月で記述問題の得点が伸びた生徒さんの取り組みをご紹介します。
以前、Tくんという小学5年生の男の子がいました。
夏休みに、「長文読解で苦労している」と当塾にいらっしゃったのです。
当時のTくんは、記述問題はいつも空欄の状態でした。
私はまず、Tくんに
「とにかく、少しでもいいから書いてみよう。
全部埋められなくても、何かは書くようにしようね。」
と約束しました。
答えになると考えた部分に線を引いてもらい、その部分を書いてもらいました。
すると、少しずつ部分点が来るようになりました。
Tくんも嬉しかったのでしょう、書く文字も徐々に増えていきました。
空欄を避け、何かを書けるようになった後は、解答の精度を段階的に整えていきます。
具体的には、
・問いが何を求めているのか
・本文のどの部分が根拠になるのか
を一つずつ確認しながら、解答の方向性を明確にしていきます。
そのうえで、
・主語と述語の対応
・必要な要素が過不足なく入っているか
といった観点から、答案として成立する形に整えていきます。
こうした調整は一人では気づきにくいため、対話を通して思考を言葉にしながら、少しずつ解答のズレを修正していきます。
毎週、こうした丁寧な確認を重ねていくことで、Tくんの記述問題の得点は伸びていき、3ヶ月目には8割以上得点できるようになりました。
その後は満点も取れるようになり、記述問題の得点は彼の大きな武器となりました。
記述が白紙になってしまう場合、最初の「何かを書く」というハードルが想像以上に高いことがあります。
しかし、この一歩を越えることで得点は少しずつ積み上がり、「書くこと」への抵抗ではなく、喜びが勝っていくように感じます。